会長就任にあたって 中嶋康博

前期の斎藤会長のあとを継いで、会長に就任いたしました。どうかよろしくお願いいたします。前期に企画されていたフードシステム学叢書は、今年6月の大会時に全5巻が揃いました。これまでのフードシステム研究を総括するものであり、今後の研究を展開させていく上での礎となることでしょう。このように固められた足場の上で学会活動をさらに発展させるため、今期では執行部とともに以下のことに取り組むことといたしました。

1.年次大会をコンソーシアム体制で開催

今後の年次大会については、コア開催校と周辺の大学や研究機関でコンソーシアムを組み、共同で開催していただくことにしました。この方針は前期の常任理事会で決定していましたが、具体的には今期で取り組むこととし、運営方法の開発を福田晋副会長(九州大学)にお願いしました。次年度の大会を九州・福岡で開催するにあたり、九州大学がコア開催校となり、関連の大学の方々にご協力いただくことになりました。会場は中村学園大学にお願いいたします。ここで蓄積されたノウハウが次の大会に引き継がれていきます。

2.教育支援システムの構築

学会でサマースクール(SS)、ウインタースクール(WS)を企画、運営できないかを検討いたします。先ほど紹介した叢書は教材の一部に利用できますが、しかしフードシステムは「生きもの」であるために、常に情報をアップデートしていく必要があります。また教科書には書かれていない実務に関わる様々な情報へのアクセスは困難であり、授業に十分反映できていないのが現実です。官産学ネットワークをベースにした企業や行政の方による集中講義形式のSSやWSの可能性を、木島実副会長(日本大学)と教育支援システム構築委員会の皆様にご検討いただきます。SSやWSが学部・大学院学生や若手研究者に多様な教育機会を提供し、人材養成の進むことを期待しています。

3.学会誌のさらなる深化

編集委員会のご努力により、学会誌の充実には継続的に取り組んで参りました。2年前のFSニューズ・レターでの「4期目の会長就任にあたって」(斎藤前会長)にある通り、「フードシステム学会では多様な会員からの投稿を期待し、研究ノート以外にも総説を加えています。多様な会員からの投稿論文に対応して効率的で公正な査読や評価を円滑に進展」させております。今期はこの取り組みをより深化させて、「官産学共同の研究を推進する」(会則第2条)手段として機能させていきたいと思います。このことについては、立川雅司副会長(茨城大学)を中心にご検討いただきます。

4.官産学連携と学際的活動の進展

以上で述べた通り、教育活動や学会誌編集において、官産学連携を進めたいと思いますが、まずはコミュニケーションの強化が求められます。菊池宏之副会長(東洋大学)には、このニューズ・レターにおいて産業界や行政からの情報発信をより充実させて、相互の対話を活発にしていただきます。行政・産業界から選出されたすべての理事の方々は、広報・官産学連携委員会に所属し、ニューズ・レターの編集に携わっていただくことなっています。また、農業経済学以外の専門分野の大学関係者・研究者の方々との連携を推し進めたいと思います。菊池副会長には日本農学会の運営委員になっていただきます。また福田副会長と企画委員会の皆様には、年次大会や秋季研究会における学際的テーマによる企画を検討していただきます。

今期は、新たな基盤づくりへ挑戦することとなります。会員の皆様におかれましては、これまでの以上のご理解と学会活動へのご参画をお願いいたします。

第12期 日本フードシステム学会会長 東京大学 中嶋康博